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「型は、変わりゆく形の中で、受け継がれていく“種子”」第4回パイオニアセミナーを実施

パイオニア・コミュニティ 2017/12/7

自分自身について、事業について、未来について考えるきっかけを得ていただくための、第四回パイオニアセミナー『「型」の思考法 ~アフリカでのプロジェクト実現を通して~(講師:一般社団法人OSAジャパン会長/建築家 坂田 泉 氏)』が、11月29日(水)に実施されました。

 

◆「型」を持つ形、持たない形

 

セミナーでは、坂田さんが考える「型」を持つことの重要性について、実際の建築やプロダクトを題材にしたお話からスタートしました。

 

世の中に存在する様々な形の中には、それが“どう使われるのか、どう作られるのか”といったことに形の「理由」を持つものがあると坂田さんは語ります。

 

たとえば、アフリカのカメルーンにある土で作られたドーム型の住居は、単に見た目の良さや珍しさで作られたものではなく、ドームの曲線は力の流れを無駄なく伝えるためであり、頂上の穴は煙や熱気を外に速やかに出すためであり、外部のパターンは修理の時の足場だったりと、みんな理由がある。そういうさまざまな形の理由を含んでいるのが、このドームの「型」である。そういう型があるからこそ、この住居は崩れることなく繰り返し作られ、代々、伝えられることができる。

 

 

型のない形はそれだけで終わるが、型のある形は人々に共有され、伝えられてゆく。なぜその形であるべきなのかという理由を含む「型」を大切にしなければ、人々や地域の中で形が残ることはないと説明されました。

 

坂田さんは、「日本のタネをケニアでカタチに」をモットーに、いろいろな企業と組んで仕事をしてきましたが、ケニアに持ってゆく技術の「タネ」、すなわち「エッセンス」を考えるときには、その技術の外面的な「形」ではなく、その「型」を見るようにするそうです。

 

株式会社LIXILとの『循環型無水トイレ』プロジェクトのきっかけとなった『インフラフリー・ユニット』は、屎尿と生ゴミなどのコンポスト処理や浄水機能、蓄電システムを持つユニットを、住居とは独立して造り、供給するアイディアです。これも、住居をひとまとめに扱うのではなく、住民が居住する部分と、トイレや水、エネルギーに関係する部分とを分離するという住居の「型」に着目した結果です。環境に大きな影響を与える部分を『インフラフリー・ユニット』として分離することで、インフラ整備が不要で、環境への負荷も少ない住宅を可能にしました。『インフラフリー・ユニット』は、水や電気のない過酷な環境で暮らしながらも “よりよく生きよう”とするアフリカの人々の根源的な願望にこたえる「型」に通じているのでないか、と振り返りました。

 

 

◆「型」の視点を自身に取り入れる

 

そんな「型」は、プロダクトやサービスだけではなく、自身の働き方、生き方にも通ずる考え方です。

 

レクチャーを受けた受講者は、4つのチームに分かれて自身の暮らしや仕事の中での「型」について考える60分間のワークを行いました。

 

 

各チームからは、『すべてに終わりがある』や『相手との間(を見極める)』といった「型」が飛び出し、そのことを自身の事業や行動にあてはめて、自分を見つめなおす濃密な思索の時間となりました。

 

 

受講者からは、『普段ぼんやり感じていたことを、言葉に表せる良い機会だった』『初対面の方とダイアログすることで、自分を発見することにつながった』といったご意見をいただきました。

 

◆「型」への想い

 

最後に、坂田さんから受講者の方がたへ次のメッセージが送られました。

 

 

「かた」は、変わりゆく「かたち」の中で、変わらずに、受け継がれてゆく種子のようなものだと思う。

 

「かた」を持たぬ「かたち」は消えてゆくだけだが、「かた」を持つ「かたち」は伝えられ、また新しい「かたち」を再生する。

 

あらゆるビジネス、プロダクト、活動は「かたち」を有している。

 

ならば、生まれては消えてゆく「かたち」ではなく、人々に受け入れられ、受け継がれてゆく「かたち」でありたい。

 

僕は、そういう力を「かたち」に与えるのが「かた」だと思う。

 

 

このプログラムの受講を通し、自身の「型」を大切にして生きることの重要性について、自身に問い続けて欲しいとプログラムを締めくくりました。

 

 

◆【次回予告】“借金10億円”からの復活

次回のパイオニアセミナーは、1月24日(水)18:30~株式会社陣屋 代表取締役女将の宮崎 知子さんにご登壇いただき『旅館再生を成し遂げた“素人女将”の働き方改革~借金10億、背水の陣で得た答えとは~』を実施します。皆様のご受講をお待ちしております。

講座詳細はこちら↓

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