「リーダーシップを身につけ、ビジネスの場で発揮したい」、「組織でリーダーシップ開発を行いたい」と考える方を中心に注目を集めているのが、WASEDA NEOで開講している履修証明プログラム「21世紀のリーダーシップ開発」です。
ここで定義するリーダーシップとは、組織において権限を持たない人も発揮できる「21世紀型のリーダーシップ」です。本プログラムでは、「21世紀型のリーダーシップ」を構築する基本的な考え方から、プレゼンテーションやファシリテーションといったビジネスの現場で役立つスキルまで、多彩な内容をレクチャーします。
また、本プログラムは、学校教育法第105条が定める「履修証明プログラム」であり、修了者には所定の履修証明書が交付されます。また本履修証明プログラムは平成30年12月現在、文部科学省による「職業実践力育成プログラム(BP)」※にも認定されています。
※「職業実践力育成プログラム(BP)」とは:
大学等における社会人や企業等のニーズに応じた実践的・専門的なプログラムを、職業実践力育成プログラム(BP)として文部科学大臣が認定しています。
[文部科学省HP]
http://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/bp/index.htm
ここでは、プログラムの要点をご紹介するとともに、修了者の生の声をフィーチャー。「さまざまな場面における自分の行動指針が変化した」といった感想が飛び出しました。
>今回のインタビュー対象者/2019年度修了生
荒巻 令子氏 マンパワーグループ株式会社
大瀧 巌氏 リコージャパン株式会社
大瀧氏:
前年の9月、「21世紀のリーダーシップ開発」の第1期修了生が集まる場に、たまたま参加したのがきっかけです。そこで「権限なきリーダーシップ」、つまり「権限や役職、カリスマ性がなくとも発揮できるリーダーシップ」の存在を知り、興味を引かれました。私は当時、人材育成をメインで行う部署に所属していたので、「このプログラムでは、業務に直結する知識が学べる」と思い受講を決めました。
大瀧氏:
まず、授業の内容がとても練られている点に驚きました。また一貫したテーマに沿って授業が進むため、回が進むごとに教わった内容への理解が深まっていきましたね。これは、新鮮な体験でした。
荒巻氏:
以前ある教育機関で、質問力に触れたことが大きなきっかけです。そこでは、質問やフィードバックをとおして課題の答えを導き出し、参加者のリーダーシップを引き出すグループワークを行いました。あのようなアクティブなワークに参加したのは初めてだったので、とても刺激を受けました。そのワークで講師を務めていたのが、「21世紀のリーダーシップ開発」の担当講師である、岩城奈津先生でした。
また、仕事をする中で「学びを通じキャリアアップを図りたい」と思うようになったのも、受講を決めた理由の一つです。私はキャリアカウンセラーとして働いており、より良いカウンセリングに役立つスキルを求めていました。「21世紀のリーダーシップ開発」では、質問力をはじめ、現場で役立つスキルが身に付くのでは、と考えました。
大瀧氏:
フィードバックと質問が頻繁に行われることもこのプログラムの特徴であり、ユニークな点だと思いました。誰かが発表をすると、先生だけでなく他の受講者も、毎回その発表へのフィードバックと質問をするのです。こうしたアクティブラーニングを繰り返すうち、回を重ねるごとに受講者の学びに対する熱量が高まっていくのを感じました。
荒巻氏:
確かに、深い理解につながるよう精査と設計がなされたプログラムだと思います。私の場合、プログラムを受講している最中は日々の授業と課題に夢中で、学んだ内容を冷静に見つめることはできませんでした。でもプログラムを終えた今、たしかに新たな知識が身についたと感じています。受講者の間で、“お互いに高め合おう”、“みんなで授業を創っていこう”という意欲が芽生えるのを感じましたね。また、能動的に学ぶ姿勢も自然と養われていきました。
大瀧氏:
こうした意識や姿勢の芽生えは、講師の方々の巧みな誘導によるものなのでしょう。最終回は、講師の設計のもとサイレントクラスと呼ばれる手法で、受講生だけで進行をする授業も無事に終え、自分たちの学びを得ることができました。
荒巻氏:
このプログラムの目的の一つは、「21世紀型のリーダーシップ」を身に付けることです。ここでいうリーダーシップとは、チームで目標を達成するために他者に影響を与えるそれぞれの能力です。最終的にはそれぞれの受講生が、リーダーシップを発揮できていたと思います。
大瀧氏:
「コーチング」の授業の一環で行った「クライテリアワーク」は、面白かったですね。
「クライテリアワーク」では、まず始めに、自分が大切にしている物事を紙に書き出します。例えば「食事」や「お金」、「朝のあいさつ」といった物事を、全部で14〜15枚の紙に書き出し、床に並べていきます。それから二人一組になり、パートナーの質問のもと、どの物事がより自分にとって大切か見極めながら紙を並べ替えていきます。このワークを行ううちに、パートナーからの質問に頭だけでなく、体も反応するような感覚を得られたのが不思議でした。当初、理屈で考えていた“最も大切なもの”は「お金」でしたが、「クライテリアワーク」を行うと、“最も大切なもの”は「家族」という結果が出たのです。
頭だけでなく、目や耳、手など、五感を使って考えることで、異なる考えが浮かぶということを体感しました。また、「クライテリアワーク」は、自分自身の内面について深く考える良いきっかけになりましたね。
荒巻氏:
リーダーシップを学ぶ早稲田大学の現役学生とのグループワークが、印象に残りました。学生たちの進行のもと、社会人と学生が一緒に質問力を養成するワークを行ったのですが、彼らの質問力の高さにはとても驚かされましたね。彼らの鋭く的確な質問をきっかけに、自分でも思いがけない答えが浮かんだシーンもありました。
大瀧氏:
彼らは、質問力はもちろん、フィードバック力、観察力なども持ち合わせていましたね。いずれも驚くべき高さでした。
荒巻氏:
トレーニングを積むことで、年齢や経験問わず、誰もが優れたリーダーシップを身に付けることができることを実感した授業でしたね。
大瀧氏:
プログラムでは、ビジネスパーソンであれば身につけておきたい内容も教示されました。例えば、場を活性化させ素早く目標に達するスキルである「ファシリテーション」がそうですね。こういったすぐに使えるスキルは、なるべくオフィスでも意識して実践するようにしていました。
またプログラムの冒頭で、自分の目標を仲間と共有する<目標共有>、率先してお手本を見せる<率先垂範>、「一緒にやろうよ」と呼びかけたり助けを借りたりする<相互支援>という、3つの考え方を教わりました。これらはリーダーシップの基本となる考え方ですが、実生活でも役立つと思いました。例えば「オフィスや家庭の環境を変えたい」と思った場合、この3つの考え方を基準にすれば、うまくいく可能性が高まるのではないでしょうか。
荒巻氏:
<目標共有><率先垂範><相互支援>の3つは、オフィスでどう振る舞うべきか迷った時も、支えになると思います。会社には多様な人がいるので、上司、あるいは部下との接し方に悩むことがありますよね。そんなシーンに直面した場合、この3つの考え方を意識して自分の振る舞い方を変えることで、状況が変わるはずです。
また、「エニアグラム」という多様性を知るためのツールも、ためになりました。タイプによってコミュニケーションの方法が違うことを教わったことで、「あの人にはこう接してみよう」「こうアプローチすれば、もっと伝わりそう」といった風に、アイディアが豊富に湧くようになりました。
大瀧氏:
プログラムの受講をきっかけに、ビジネスの場で役立つスキルが身に付くうえ、人との関係性への理解が深まると思います。言い換えると、全体的な対人スキルが上がるということです。人と接する機会が多い方、人とより良い関係づくりをしたいと考える方には、ぜひおすすめしたいプログラムです。
荒巻氏:
自分のリーダーシップが開発されることで、自分ごととして物事を考えられるようになるはずです。例えば、自分の存在を「組織のなかの歯車」のように捉えている人も、リーダーシップを身に付けることで、より主体性をもって業務に取り組めるようになると思います。
また、コーチングやプレゼンテーションといったビジネススキルは、自分の行動や内面にも変化をもたらしてくれます。私の場合、問題解決に向けて計画的に、なおかつスピーディに行動できるようになりました。このプログラムは、自分の内面を磨き、人間力を上げたい方にもぴったりだと思います。
WASEDA NEO履修証明プログラム(120時間)
「21世紀のリーダーシップ開発」
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