まず、「どうせ無理」と思いつけることは、それはそれで素晴らしいことなんですよ。それは、できない理由を見つける力なんです。
それを、ノートに書いてみたらいいです。そして、「どうせ無理」をひっくり返した言葉を横に書くと、それが「だったらこうしてみたら?」に変わります。
頭の中で考えているのは、実は考えていなかったりして、考えた気になっていることが多いです。やっぱり紙に書いてみるというのが結構大事なんですよ。
紙に書くと、「だったらこうしてみたら?」はもっと具体的になっていくから。そしたら、できそうな日がいつか来るかもしれない。ぜひ、それに挑戦してみてほしいな、と思います。
あとは、具体的にやってみるっていいうのも面白いかもしれないです。
普段の自分だったらやらないこと、例えば、「知らない街に行ってご飯を食べる」「近所の公園を散歩してみる」とか、それだけでもちょっとずつ変わってくるんですよ。
そういう経験を積み重ねて、情報を増やしていくと自信がついていって、大丈夫になっていくと思うから。
「不安」というのは、「これからどうしたらいいんだろう、どうしよう」といった状態ですよね。これって、近い未来の予測ができない状態なんです。
不安がない状態というのは、「きっとこうなるんじゃないかな」「そういうときはこうすればいいんじゃないかな」と思える状態ですよね。これは予測ができている状態なんですよ。
ではなぜ予測ができないかというと、情報と経験が足りないからなんです。
だったら情報と経験を増やせばいいんです。情報と経験は、なんでもいいんですよ。
そのとき大事なのは、他人です。自分で選んでやることは、もうすでに自分でやってしまっていることが多いですね。
だけど他人から頼まれたことや、他人がやっていることは、自分が意図したものではないですよね。だからこそ、それに付き合ってみると、全く知らない知識と情報が溜まるんです。
その積み重ねが知らぬ間に、小さな自信になっていくから、試してみたら面白いかもしれないですよ。ちょっとの勇気を出して、他人に巻き込まれてみるのもいいんじゃないかな、と思います。
自分の人生を伝える事です。大人の人生を伝える事です。
自分が人生でどんな判断をしてきたのか?その結果どうなったのか?を伝えてあげると、それは貴重な「データー」になります。もちろん、自分以外の大人の人生もとっても貴重なデーターです。
行くべき道など示す必要はありません。大事なのは「データー」です。
アドバイスのアドは「足す」という意味です。「バイス」は「寄り添う」です。寄り添って情報を伝えることが大事ですよ。
あと、感謝はできるだけ「なんで助かったのか?」を具体的に伝えた方がいいですよ。
講師紹介
植松 努 氏
1966年、北海道芦別市生まれ。株式会社植松電機・代表取締役。株式会社カムイスペースワークス・代表取締役。NPO法人北海道宇宙科学技術創成センター(HASTIC)・理事。幼少の頃より紙飛行機が好きで、大学では流体力学を学び、卒業後に入った会社では航空機設計を手がけた。植松電機では、バッテリー式マグネット開発の他、ロケット開発、宇宙空間と同じ無重力状態を作り出す微小重力の実験、小型人工衛星開発、アメリカ民間宇宙開発企業との共同事業など、「人の可能性を奪わない社会」の実現のため邁進している。その一方で、全国各地での講演やモデルロケット教室を通じて、年間10,000人以上の子どもたちに、「どうせ無理」をはねかえし、夢をあきらめないことの大切さを伝える活動をしている。おもな著書に『NASAより宇宙に近い町工場』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『空想教室』(サンクチュアリ出版)、『思うは招く』(宝島社)、『「どうせ無理」と思っている君へ』(PHPエディターズ・グループ)など多数がある。
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