超スマート社会を生き抜く糧に!情報技術を網羅的に学ぶ「スマートエスイー」

インタビュー 2019/12/9

 

 

IoT、AIなどの進展により超スマート社会が加速しています。一方でこのような高速に展開する革新をリードできるイノベーティブな人材不足が叫ばれているのも事実です。文部科学省平成29年度「成長分野を支える情報技術人材の育成拠点の形成」enPiT-Proに早稲田大学が代表校として参加している「スマートエスイー」は、まさにイノベーティブな人材育成の産学官の拠点といえます。

「スマートエスイー」の体系的カリキュラムは、基礎技術からビジネス展開までの幅広い領域をカバーしており、IoT、AIを中心としたフルスタックの領域を習得するとともに、最先端の実践的な専門性も併せて吸収することを狙いとしています。

今回はスマートエスイープログラムの第2期修了生である4名の方々へのインタビューを実施。「スマートエスイーは、業務における課題解決に大きく役立つ」といった感想をはじめ、さまざまな意見が寄せられました。

 

(右から)

・奥谷 大介氏 沖電気工業株式会社【修了制作 最優秀賞】

・坂井 充氏 (退職)東芝デジタルソリューションズ株式会社 【修了制作 優秀賞】

・田中 美帆氏 株式会社東音企画【修了制作 優秀賞】

・大甲 隼土氏 NRIシステムテクノ株式会社【修了制作 最優秀賞】

 

——— まず、受講に至った経緯をお聞かせください。

 

奥谷氏:現在、私は情報通信機器のメーカーに勤務しており、AI技術研究開発部に所属し、AIを使ったデータ分析を業務としています。日々業務に携わる中で、昨年、特別講演の聴講を目的に「スマートエスイー修了式」に参加した際、このプログラムに興味を持ちました。理論からビジネスへの実践まで、網羅的に学べるスマートエスイーには、大きな可能性を感じましたね。すぐに上司にスマートエスイーを次年度受講したい旨を伝えたところ、承諾してもらえました。

 

坂井氏:以前、スマートエスイーのオンライン講座「gacco」で、システムズアプローチの講座を受講したのですが、内容がとても充実していたんです。通学制のスマートエスイーで本格的に学び、自身の知識と技術をより確かなものにしたいと思い、受講を決めました。

 

田中氏:私は、楽譜や音楽書の輸入・出版などを行う企業に勤めているのですが、弊社でも音楽とITを使って、今なにができるか、日々模索しています。解決の糸口を見つけようと、スマートエスイーの説明会に参加した弊社の社長が、プログラムの内容に大きな魅力を感じ、社内で参加者を募る動きがあったので、立候補しました。

 

大甲氏:現在、私は大手メーカーを主要顧客とするSIer(システムインテグレーター)に勤務しています。以前より弊社では、IT技術を使った新事業を立ち上げる動きがあり、立ち上げを担う人材の育成が課題となっていました。教育や能力開発ができる場所を探すなかで、スマートエスイーという充実したプログラムがあると知り、参加しました。

 

 

———— スマートエスイーで学び、どのような知識・技術が身につきましたか?

 

奥谷氏:普段の業務に取り組むなかで、AIにおける技術とビジネスのギャップを課題に感じていたこともスマートエスイーを受講した理由の一つです。スマートエスイーで、最先端ICT技術を広くフルスタックに学んだことで、課題解決への筋道が見えました。また修了制作を通して、具体的な解決方法に一歩近づくことができたと思います。

奥谷氏

 

坂井氏:私は約30年間、SIer(システムインテグレーター)としてソフトウェアエンジニアリングに取り組んできました。ただ、担当業務の性質上、IoT、AI、ビッグデータといった最新の情報技術と、それらをビジネス化・サービス化するための知識があまり身につかなかったんです。スマートエスイーで学んだことで、そうした技術と知識を補塡できたのはすごく良かったと思います。

坂井氏

 

田中氏:以前は、音楽とICTの関連性をなかなか見出せなかったのですが、スマートエスイーでの学びを通して、さまざまな選択肢があることが分かりました。ICTを俯瞰で眺めつつ、音楽と相性が良い技術を選択する力が身についたと思います。

 

大甲氏:これまでの自身のキャリアを振り返ると、ICT関連の多様な知識が求められるシーンが多々ありました。足りないと感じた知識は、適宜学ぶようにしていたものの、本当に必要な知識とそうでない知識を取捨選択することができませんでした。スマートエスイーで学んだ結果、ICTの全体像が把握できたので、今後の指針がよりクリアになりましたね。

 

 

———— とくに印象に残った内容は?

 

坂井氏:SIer(システムインテグレーター)として勤務していた頃、サービスの企画・開発をしたにも関わらず、リリースに至らなかったり、リリースされても数年でサービスが終了してしまったり、はっきりとした原因が分からないまま残念な結末になることがありました。今回、ビジネス領域のプログラムを受けたことで、当時足りていなかった工程に気がつくことができました。

 

奥谷氏:とくに「スマートIoTシステム開発実習」という講座が印象に残りました。「スマートIoTシステム開発実習」は、一つのテーマのもとグループで開発を行う講座で、私たちはピアノの演奏を採点するアプリケーションを開発しました。最終的に、それぞれのメンバーの特技や知識が活かされ、とてもユニークなアプリケーションが完成したと思います。プロダクト自体は普段の私の業務と関連性がないものですが、それだけに新鮮味を感じましたね。ちなみに、この開発では田中さんと同じグループでした。。

 

田中氏:このアプリケーションの開発は、とても楽しかったですね。

私の場合、「スマートIoTシステム開発実習」に紐づいた「IoT版ビジネスモデル仮説検証プログラム」が印象に残りましたし、実際に修了した後の仕事でも役に立っています。プログラムでは、ピアノの練習が楽しくなるツールの制作を目標にしていたので、ピアノを習っている子やその親御さんにインタビューを敢行し、結果としてそれぞれのニーズが把握できたことは、大きな収穫となりました。ニーズを反映することで、本当に求められるプロダクトが完成すると思います。

田中氏

 

大甲氏:ピアノ採点のアプリケーションは、非常に完成度が高く、注目されていましたね。

スマートエスイーでは、実習の講座も設けられていましたが、そうした実習から得るものが多くありました。実際に手を動かして確かめることで、初めて分かる効果や反応もありました。

 

———— そのほか、スマートエスイーの魅力を感じた部分はありますか?

 

大甲氏:「講師から対面で教えてもらえること」「周囲に他の受講生がいること」が、大きなプラスになりましたね。書籍やオンラインでの自己学習の場合、何か疑問に感じることがあっても、すぐに講師や専門家に質問することができません。その反面、スマートエスイーの講座では、疑問点を即解決できます。他の受講生の方の質問内容とその回答も聞けたことも、プラスアルファの学びに繋がったと感じています。

大甲氏

 

坂井氏:確かにそうですね。オンラインでの講座よりも、内容を理解しやすかったと思います。また、グループ演習など実際に制作に取り組む授業も設けられていたので、アクティブなラーニングができました。

 

田中氏:今回、一クラスに受講生が約30名いたのですが、ちょうど良い人数だったと思います。もっと人数が多かったら、講師に直接質問しづらかったかもしれません。また、授業で配られた資料のクオリティにもとても満足しています。毎回、技術の土台となるアカデミックな知識から、具体的な現場の開発環境、手法まで、幅広い情報が盛り込まれたレジュメを提供していただいたので、授業の内容をより深く理解することができました。

 

奥谷氏:毎回の授業で配布されたレジュメには、かなり難しい内容が書かれていました。授業の内容自体も、とてもハイレベルでしたね。90分という限られた時間で、すべてを理解するのは不可能だと感じました。しかし、ハイレベルかつ実践に即した授業内容や資料は、今後大きく役立つはずです。しかも自身がレベルアップすればするほど、今回学んだことが活きてくると思います。是非このレベルの授業を今後も続けていただきたいです。

 

大甲氏:大学の講師と企業の講師がペアで科目を担当するスタイルも魅力の一つだと思います。大学の講師からは、礎となる知識を体系的に教えていただき、企業の講師からは、具体的な事例をふまえた実践的な内容を教えていただきました。知識・事例ともに引き出しを増やすことができ、有難く思っています。

 

———— 修了制作はいかがでしたか?

 

奥谷氏:制作にかなり時間がかかりましたが、非常に楽しく取り組めました。修了制作では、製造業向けシステムの設計から生産、保守までを繋げる取り組みを提案したのですが、これはまさに、弊社が抱えている課題を解決する取り組みです。今回の修了制作をもとに社内で新たな提案ができれば、社内のビッグプロジェクトが生まれるのでは、と期待しています。

 

坂井氏:修了制作では、IoTを活用した働き方を改革するためのサービスを企画、検証しました。企画するにあたり、まずは働き方の意味を明確にし、その後ビジネスモデルの比較、見込顧客とニーズの調査などを行いました。いずれも再就職する場合にも役立つ作業なので、意欲を持って取り組むことができましたね。

田中氏:マンツーマンでの指導体制は、とても贅沢だと思いました。適宜、講師の方に質問をさせていただいたのですが、そのたびに的確な提案をしてくださったので、スムーズに課題を解決できました。教えていただいた内容をもとに、業務における課題も解決できそうです。

 

大甲氏:私は、深層学習を用いた食品製造関連の作業を支援するツールを作りました。ツールのテーマ設定から実際の制作作業に至るまで、授業で学んだ内容がとても役立ちました。構想自体は以前から持っていたのですが、授業で教えて頂いた講師の方々と自身の仮説を整理しながら制作に取り組んだので、スムーズに進んだと思います。

 

———— 今後受講を希望されている方へのメッセージをお願いします。

 

奥谷氏:私は、自身の明確な課題のもとスマートエスイーを受講し、最終的に課題解決の糸口を見つけることができました。課題を持っている人にこそ、スマートエスイーを受講して欲しいと思います。理論から実践まで一通り学べるので、きっとヒントを見つけられるはずです。

 

田中氏:私も、課題を持たれている方にこそスマートエスイーをお勧めします。新たなツールを企画・開発する際、さまざまな壁にぶつかるものですが、情報技術の全体像を把握できていれば、プロジェクトが正しい方向に進むと思います。

 

坂井氏:SIer(システムインテグレーター)の業務は既存のシステムのメンテナンスが中心で、顧客への提案などは行わないのが現状です。しかし、これではビジネスの成長が期待できないと問題視されています。スマートエスイーのようなプログラムを活用しながら、積極的に人材育成を行うことで、業界自体が変わっていくと考えます。

 

大甲氏:スマートエスイーへの評価を簡潔に表現すると、「期待以上の学びがあるプログラム」です。講師の方々と非常に近い距離で学ぶことができ、きめ細かいフォローも受けられ、非常に費用対効果が高いプログラムだと感じています。今後受講を検討されている方にも是非お勧めしたいプログラムです。

 

———— 皆さん、インタビューへのご協力をどうもありがとうございました。

 

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2020年度スマートエスイープログラムは、4月~9月開講予定です。

受講生募集期間は、20191223日~2020123日です。

20191223()の『 2020年度正規履修生 募集説明会 』は以下よりお申込みください。

https://smartse.jp/information/2019/1125121343/