人と組織を強くしたいあなたへ―「コーチのコーチ」中竹竜二さんに学ぶ・パイオニアセミナー開催レポート

イベント 2021/9/10

「成功」と「成長」の違いとは

ではその一つのヒントとして、「成功」と「成長」という、似たような言葉たちを分けて考えたいと思います。似たような言葉ではありますが、もしこの二つを「あなたの言葉で、それぞれ定義づけてください」と言われたら、何と定義づけますか?

 

では、正解というわけではないのですが、参考までに私の解釈での定義づけです。

 

成功というのは基本的に目標の達成なんですよね。何か目標やターゲットを定めて、それを達成できたら「成功」。「お金持ち」「出世」「スポーツでの勝利」など、結果が出たら成功ですよね。

 

では成長ですが、これは変化です。人間は色々な領域(知識/意識/能力/知性)があって、これらが変化することが成長です。

 

まさに先ほど(受講生に)言っていただいたように、成功は点で、成長は少なくとも2つ以上の点が必要な線なんですね、変化ですので。

 

成長の中の点は「失敗」と「成功」かもしれませんし、どちらも成功または失敗かもしれません。ですがどちらにせよ、変化が起こったら「成長」です。

 

これは絶対的ではないのですが、成功は「コト」に紐付き、成長は「ヒト」に紐付くことが多いですね。もちろん成功をヒトと結びつけることもありますが、そもそも目標はコトです。

 

では、それぞれのポイントを考えてみましょう。成功するためにはどうしたらよいか、というポイントをみなさんに考えていただきます。

 

 

 

今日は普段出てこないようなポイントをお伝えします。

 

まず成功の方からですが、要は「目標設定をちゃんとする」ことと「目標設定の具合」がポイントです。

 

低い目標だったら達成できますから成功しますよ。当たり前ですけど、どれほど能力が高くて努力しても、目標が高ければ成功しないんですよ。我々は頑張ったら絶対に成功すると思いがちですが、目標が高かったら成功しません。この構造を理解しておかないといけません。

 

努力すれば絶対報われる、失敗は成功のもとだ、とかよく言われますが、それは目標の設定をちゃんとしないと、成功は遥か彼方になってしまうんです。逆に危険なのは、目標自体を低くして「成功した!」と思うことです。「成功はしているけれど、果たしてそれで良いのか」という問いが重要です。

 

では成長のポイントは、他にもありますが「破壊」と「超回復」です。要するに壊れて、さらに回復するという原理ですね。

 

さっき「失敗」という言葉が出ましたけれども、失敗とも似てますよね。よく上司や親の期待って、成功と成長を一緒にするんですよ、どちらも何となく良さそうで言葉も似ていますし。でもよく考えてみたらこれらは極論、真逆です。

 

子どもに「成功してほしい!」と思っていても、目標を低く設定し続ければずっと成功します。新入社員に対してマニュアルも用意して、しっかりオンボーディングして、メンターをつければ、そりゃうまくいきますよ。

 

でも、蓋を開けてみたら一年で1回も仕事の失敗はしないし、その面で成功はしても、全然成長はしていないんです。

 

逆に、本人も落ち込むくらい全然成果を上げていなくても、すごくチャレンジングな営業をして、一年経ったら誰よりも成長しているというヒトもいます。会社としてどちらが欲しいかという話ですよね。

 

こういうことが起こりえますから、自分たちの中で「今はどちらをさせようか」ということを考え続ける必要があります。ここで厄介なのは成長です。なぜ成長に「破壊」と「超回復」が必要なのでしょうか。

 

 

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