人と組織を強くしたいあなたへ―「コーチのコーチ」中竹竜二さんに学ぶ・パイオニアセミナー開催レポート

イベント 2021/9/10

ストーリーを語る・語らせる

それでは皆さんの人生の中にある「破壊したけど、超回復した」というストーリーを是非共有してみてください。

 

―教室内、オンラインともグループに分かれて「破壊と超回復 あなたのストーリーは?」について話す

 

 

 

はい皆さん、非常に盛り上がっていると思いますが先に進みます。でもこれが実際リアルな現象なわけですよね。人はストーリーを語りだすと、止まんないんですよ。

 

ということは、皆さんが自分に問いかけたり他者に問いかけたりするときにはちゃんとストーリーを聞いてあげた方がいいです。「あなたはどんな仕事してますか」というよりも「どんなストーリーでここまで来たんですか」と。

 

ちゃんと、点ではなく、線を聞いてあげた方が語りやすい。今自分は何の資格を持っていて、いくら稼いだかという点の話ではなくて、自分は今ここまでどうやって来たのか、この問いを、暗黙の中で常に問うようにしてみてください。

 

やっぱりこのストーリーというのは誰しもが語りたいわけですよ。けど語る場面が実は今はあまりないので、だからこそ最近人材育成の領域でも対話が大事だと言われています。 対話をする場や機会、あとは対話をさせる問いかけを是非大事にしてみてください。

 

他者を育成・成長させる「心地悪さ」

この中にはリーダーの方もいると思いますが、他者の育成、他者の成長に破壊と超回復をどの程度意識できていますか。自分には破壊起こせないけど、他者にはガンガン破壊を起こすって言う人もいるかもしれないね(会場苦笑)

 

ご自分の破壊と超回復も大事ですが、他者をどれだけ成長・支援できるかと考えたとき、承認とか傾聴とか受容が大事だと言われていますね。これらはどちらかといえば超回復の方です。

 

でも、破壊しないと伸びない。今までの破壊は、ハラスメントでやっていて、これは論理的には正しいのですが、今の時代だと難しい。他者への破壊は難しい。だからこそ、まず自分に破壊をどうやって起こすかを考え、他者に適度な破壊をもたらす方法を考えてみてください。

 

スポーツのコーチングでもよく言われますが、成長の原理では「心地悪い」空間を通過させないといけない。これはラグビー日本代表のエディー・ジョーンズが見事で、常に彼の頭の中ではいかに選手をUncomfortableにさせるか、ということを考えていた。要は嫌なやつであることが上手だったんです。すごいのは、これをやると本当にみんなが成長するんです。

 

 

 

私の本にも書きましたが、Winning Cultureでは「学びの文化」を中心軸においています。誰しも心地よい空間 Comfortable Zoneがありますが、この中にいると成長はありません。

 

頑張って挑戦するUncomfortable Zoneと、栄養と休養をとる Comfortable Zoneを行き来することが重要です。そうすると、Comfortable Zoneを広げ、また Uncomfortable Zoneもそれに付随して広げることができる。ただ、広がった Uncomfortable ZoneはPanic ZoneやDangerous Zoneなどにもなりうるので、気をつけないといけません。ちなみにUncomfortable Zoneは学びのゾーンLearning Zoneとも言われています。

 

私のコーチングの一つの軸は「崖まで連れて行く」というものです。一歩間違えると落ちちゃうから、危ないですね。これが良いか悪いかは別として、今はなかなか危ないところまで連れて行く人がいませんが、私はその人のためを思って連れて行きます。私は育成者としての意識が強いのでそうしますが、皆さんも是非周りの人たちにUncomfortable Zoneを意識してみてください。

 

これを階段状にすると、心地悪い状態が心地よくなっていきます。きちんとさらけ出す、アンラーンする、自責する、人のせいではなく自分のせいとして受け止める。これは悔しいし、心地悪いですが、そうすることによって今までUncomfortableだったものがComfortableになります。それを続けていくと、自然と当たり前になって心地悪さが習慣となります。

 

是非皆さんには「昔こういうことあったけど、今は全然楽だな」という体験から、同じような人を見たらゾーンを変えてみる支援をしてあげてもらえたらと思います。

 

 

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